悪液質 フェレット

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フェレットの病気

フェレットの悪液質とは?痩せるじゃない「やせ衰える」体に必要な栄養管理について

さすけが少しずつ瘦せてきました。

と、X(旧Twitter)に投稿したら「何を食べさせていますか?」とご質問がありました。

他にも同じようなお問合せがきているので、今日は私がこれまで学んできたこと思うことをアウトプットさせて頂きます。

まず、「病気でやせ衰えてくること」を「悪液質(あくえきしつ)」といいます。

「悪液質」で検索をすると

悪液質(cachexia)は,栄養不良により衰弱した状態を指す言葉として古くから用 いられてきた。 以前より悪液質はがんに限らず,種々の慢性消耗性疾患における栄養不良の終末像であり,治療抵抗性で患者の予後や QOL を悪化させることが知られていた。

や、

悪液質について

がんプラス

等々と、気持ちを強く持って受け入れなければならない厳しい現実を目の当たりにします。

我々、人間に比べると比にならないほど進むのが速いこの子たちの時間。

悪液質の症状が出始めたら、その多くの場合、その時間はもう待ったなしです。

ですが、藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座の東口髙志教授は「悪液質にはこれまで有効な対処法はありませんでしたが、適切な栄養管理を行うことで症状を抑え、生存期間を延長する例もみられるようになってきました。」とおっしゃっています。

もう何も迷ってる時間はないけど、まだまだしてあげられる事はあります。

ちなみに、さすけは「このまま死んでしまうかもしれない」と言われてからの回復、その後にまた体調を崩し「最悪の場合、あと一週間…ももたないかもしれません」と言われて、からのもう3週間です。

さすけの病気は治るものではないので、ここからの「完全復活」は見込めませんが、まだ一緒にいられる「望みはまだあるかもしれない」というところです。

まだまだ頑張ってくれています。

同じ症状のみなさんも一緒に頑張りましょう!!

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「瘦せる」じゃない、悪液質では「やせ衰える」その体に大切なのは栄養管理!

病気になると食欲不振になって「食べられないから痩せる」、ずっと寝て過ごしたから「筋肉が落ちて痩せた」は、よくある事で、回復後に食べられるようになれば体重はすぐに、日常生活を送れるようになれば体型もまたすぐに元に戻ります。

悪液質による「痩せ」の原因は、もちろん食べられなくなってきた子の場合にはカロリー摂取量の減少によるものもありますが、それは主な原因ではなく、病気のせいで代謝異常が起こり、タンパク質合成の減少すなわち「タンパク質分解が増加することによるもの」とされています。

この「タンパク質分解が増加することによる痩せ」をもっと嚙み砕いていうと『生きていくのに必要な脂肪(タンパク質)まで分解してしまう、生きていくのに必要な燃やしてはいけない筋肉(タンパク質)まで分解してしまうから瘦せ衰えた体付きになる』です。

こはね
要するに『病気に対する体の反応によって、エネルギーが過剰に消費されてやせ衰えた体付きになる』ってことね!

さすけは有り難いことに食べる量は病気になる前と何も変わっていません。

でも明らかに、見るからに、骨ばったやつれた体型になってきています。

こちらのさすけをご覧下さい。

背中側からも肋骨が見て分かるほど浮き出ています。

悪液質 フェレット

肋骨が浮き出た背中

先ほどもお伝えしたように悪液質で瘦せているのは「衰弱した状態」、だから「ただの痩せ」ではなく「やせ衰え」です。

さすけ
さすけ
でも、「食欲不振が起きていないのはすごい」っていつも先生に褒められます!

普通に食べていてもどんどん衰弱していく体には「普通以上の」栄養が必要です。

とはいえ、食事の量を増やせば良いなんて単純なことではない(そんな事はできない)し、「食べる量が減ってきてしまった」というご相談もたくさん届いていますので、私がこれまで調べたことを共有します。

療法食orダックスープ(療養食)…病院(先生)からの指示が絶対です

まず、病院から「療法食」を出されている時には、必ずそれに従って下さい。

時々、「病院からもらった療法食をあげたら下痢をするから」とか「好きじゃないみたいで」などの理由で勝手にそれをあげるのをやめて、「ネットでよく見る○○を作ってあげようと思います。どう思いますか?」というようなお問合せがあります。

○○は「療養食」とされていますが、「療法食」と「療養食」は全くの別物です。

詳しいお話は後述しますが、とにもかくにも、病院から「これを与えてください」と出された療法食を勝手にやめてはいけません。

食べてくれないなら、そのまま先生にそう伝えて、

それによって体調を崩したのなら、そのまま先生に言って、

一つずつ丁寧に、その子に起きたことは全部、先生と一緒に解決していかなければいけません。

いつも言っていることですが、その子を見たこともない「ネットのみんな」の意見より、その子を診てくれている先生のお話をちゃんと聞いて下さいね。

で、「療法食」というのは、病気の再発防止や現在の病状が悪化しないように、などの食事療法に利用することを意図し、栄養成分の量や比率が調整された特別な 栄養特性や特別な製造方法等により、一般的な健康維持食とは異なる特別な製品特性を有する(状態や症状に合わせて栄養バランスを調整している)ペットフードのことで「処方食」と呼ぶこともあります。

そうです、療法食というのは一昔前までは「病院で処方される(病院でしか買えない)もの」でした。

対して、ネットに散見されている手作りの療養食とされているものは

病み上がりや手術後のフェレット、病気でフードが食べられないフェレット、出産直後のフェレット、痩せすぎのフェレット、ストレスのたまったフェレット、年をとったフェレットに最適なスープです。アイソカルを使用したダックスープは栄養価が高く、消化吸収も良いのでおすすめです。

と、これは、多分、日本で一番最初にダックスープを紹介した公式さんはこちらではないかと思われるSBSさんから引用させてもらいました。

SBSさんでは『皆様のフェレットが1日も早く健康になりますように。上記の材料等は当店の通販ですべてそろいます。定番商品コーナーに見あたらなくても注文フォームの「その他注文欄」に記載して注文ください。ダックスープについては当社のスタッフ、協力獣医師が相談にのります。』とされています。

ダックスープのように命に直結するものを作る時にはきちんとした出所からの情報だけを仕入れるようにして下さい。

なんか、ふわ~っとしたお話で「どこどこにこう書いてあったのを見たんですけどどう思いますか?」とか聞かれても、正直、恐ろしくてたまったもんじゃないです。

参考にされる時には獣医師さんによるアフターケアも万全なSBSさんによる『ダックスープの作り方』を参考にして欲しいと思います。

ザックリ

療法食(処方食)は治療(投薬)のサポートを担う食事

ダックスープなどの療養食は回復(体)のサポートを担う食事

しつこいですが最後にもう一度言います、勝手に「療法食」をやめてはいけません。

けど、「下痢をするようになった」ら、それは早急に中止しなければいけません。

下痢にだけは注意が必要です

病院から処方された療法食で下痢をするようになったら大急ぎで獣医さんに連絡をして次の指示を仰いで下さい。

手作りの療養食の場合は即中止して、すぐに病院へ行ってその旨を伝えて下さい。

下痢は、大切なお薬の成分が吸収されずに流れ出てしまったり、脱水したり、で、闘病中の子には命とりとなる事があります。

点滴の処置や注射でのお薬投与の追加などが必要になることがありますので、本当に下痢にだけは注意が必要です。

※闘病中の子は特にちょっとした気候の変化などでも下痢をすることがありますが、その場合には慌てずに様子を見ていてあげて下さいね。

参考

  • 栄養が吸収できない
  • 脱肛を起こしたり、お尻の周りが皮膚炎になったりします
  • 体重減少(体力低下)
  • 腸内環境が悪い=免疫力低下
  • 薬がそのまま流れてしまう

フェレット『下痢の怖さ』より

ちなみに、さすけにはダックスープは使えません。

ダックスープでは「アイソカル」という高濃度液状栄養食を使うのですが、植物油が多いためかさすけは必ず下痢をするので我が家では使えないのです。

える
える
将来の闘病に備えて、若くて健康なうちから一通り試しておくと良いよ!
いざという時の好き嫌いの好みも把握できて一石二鳥ですからね
わさび
わさび

悪液質の症状が出始めたさすけのこと

病気の進行からくる食欲低下はまだないものの、体重減少は明らかです。

上手く眠れていない時が増えたのか、病気のせいかは分かりませんがダルそうにしている時間が増えました。

今は薬とサプリで上手くコントロールできていますが胸水の症状も出ています。

さすけの投薬スケジュール

5:00 強心剤や利尿剤の処方薬(ミルクと一緒にあげています)

9:00 心臓(胸水)サプリ(食事に混ぜています)

13:00 心臓(胸水)サプリ(栄養スープに混ぜています)

17:00 強心剤や利尿剤の処方薬(ミルクと一緒にあげています)

21:00 心臓(胸水)サプリ(食事に混ぜています)

1:00 心臓(胸水)サプリ(栄養スープに混ぜています)

※心臓のサプリは「1日2回に分けて」が基本の与え方です。私の考え、さすけの症状や体質や癖や環境など先生と相談したあれこれ総合的な判断で勝手にこのようなスケジュールにしているだけです。参考になさらないようお願いします。
アタチはなこ
アタチはなこ

我が家は食事として、お肉(鳥をメインに鹿や馬など)を茹でてブレンダーでドロドロにしたものに数種類のサプリ(たんぱくミルクを含みます)を足したものを与えています。

が、今はどなたにもそのレシピは一切お話ししていません。

「自己責任で」と前置きをつけたうえで詳しいお話しをさせて頂いていた時期もありますが、なぜか大切な部分が抜けたぺらい情報だけが一人歩きしていたり、私が言ってもいないことをさも私が言っていたかのようなていで私の知らないサプリを「購入しました」と複数の方から連絡があったからです。

過去にしっかり記事にしてお話しさせて頂いていますが改めて…

私はねずみ講式のものはもちろん、ネットワークビジネスとされるマルチ商法(MLM)いわゆる「連鎖販売取引」には一切、関わっていません。

話を戻します。

栄養管理についての考え方

お肉のスープのレシピを公開する予定はありませんが、この「食事」の部分にご質問がありましたので、ちょっとお話させて頂くと、私は、カリカリでもふやかしでも、その子がそれまで美味しく食べていたものをそのまま食べ続けてくれているなら無理に変更しなくても「そのままで良いんじゃないかと思っている」と、お伝えさせて頂きます。

もちろん、栄養の面でだけ考えるとカリカリより吸収の良いふやかしの方が良いし、もっといえば、きちんとした栄養価の高いそれこそダックスープなどの療養食にしっかり切り替える方が良いです。

今日のお話は「闘病中の体に必要なのはきちんとした栄養管理」ですから、本当なら、それを強くお伝えするべきなのですが、これまで、「闘病に入ってからメインのご飯を急に変更した」ことで、「後悔している」というお声を数えきれないほど聞いてきました。

「こんな事なら無理にご飯を変えなければ良かった」「こんなに早く逝ってしまうなら最後まで好きなものを食べさせてあげておけば良かった」「急にご飯を変えたから食欲がなくなってそのせいでお別れの時間が早まってしまったに違いない」等々の飼い主さん達の後悔は、原因となるものは他の理由じゃないかといくら第三者がそう思っても関係ないです。

「ご飯を変えなければ良かった後悔」って、その後もずっと、飼い主さん達の心に深く深く残ってしまっている事が本当に多いのです…

ここでまたちょっと話がそれますが、私はアニコミュを勉強してきているので、そのような場面にアニコミュ方面で触れる機会も何度もありました。

その時に、「あの時ご飯を変えられてしまったのが嫌だった」と言った子は一人もいません。という事もお伝えさせて頂きます。

どの子も皆、最後までママやパパが自分のために必死で尽くしてくれていた事を分かっていたし、どの子もみんな「嬉しかった」「ありがとう」と言っていました。

読者さんの中には、こういうお話が好きじゃない方もおられる事は知っていますが、今日までずっとその後悔で心を痛めているあの方やあの方の心に届いて欲しくて、私が見てきた聞いてきた事実をそのまま書かせて頂きました。

我が家で使っている療養食のご紹介

上記でご説明した「食事」や「栄養スープ」は時々「流動食」に置き換えることがあります。

それは「食べ飽きる」を防ぐためだったり、なんとなく気分転換になれば良いかなという思いからですが、その「栄養スープ」も「流動食」も『げんきいたち』さんのものを使っています。

若い(健康な)時から、オヤツとしてあげてきていてどの子もみんな大好きなので、「フードの切り替え」というより、「大好きなオヤツの時間が増えた!」くらいの感覚です。

詳細はこちら『げんきいたち(サプリ)の買い方あげ方』でご確認ください。

記事前半は心臓病や胸水についての説明ですので、その説明が不要な方、栄養スープや流動食については最下層の「まとめ」からげんきいたちさんの公式ページへ飛んで、そちらの説明をお読み下さい。

先ほどのSBSさんの時にもお伝えしましたが、どんな時でも、命にかかわる事は特に「公式の一次情報」を確認する癖をつけておくと良いです。

「まとめサイト」や「使ってみた系」の方が、簡単で分かりやすいという方もおられますが、それはそのまま「分かりやすくて簡単なことしか載ってない」って事ですからね。

Mr.都市伝説
Mr.都市伝説
情報があふれてる時代だからこそ大切な情報はちゃんと自分で取りに行かなきゃダメなんだぞっ!いいね?

おしまいに さすけの近況

闘病中やシニアは、ちょっとした事で一気に体調を崩します。

それは気温のせいだったり気圧のせいだったり、こちらではどうにもしてあげられない理由でだったりする場合がほとんどです。

ほんの数時間前にはいつも通りにご飯を食べて、普通に歩けていたのに、、、なんて事も起こります。

あの日のさすけもそうでした。

ご機嫌でご飯を食べていつも通りに寝ていたはずが早朝になって急にバタバタっとした音が聞こえたから、駆けつけて抱き上げたらそのまま重力で落ちたという感じの流れるようなウンチ、何も力の入らないグニャグニャの体、見開いた焦点の合わない目。

バタバタした時に噴出したと思われる汚れていた寝具を取り換え、「このまま逝ってしまうかもしれない」と覚悟だけはしました。

取り換えた寝具に戻した時のさすけの様子はこちら左側の動画です。

ハァハァと体全体を使った大きく苦しそうな呼吸、ボサボサに乱れる毛並みからよっぽど苦しいのが分かります。

頑張れ頑張れ、もうすぐ病院開くから、一番に先生に診てもらおう、もうすぐだから頑張って頑張ってと夫と声を掛け続けながら病院へ向かい、処置後に再び急変した時にも「こういう時はお互いさまだから」と多くの皆さんに順番を譲って頂き、なんとかなんとか間に合いました。

数日前には「これなら抜くほどでもないです。うまくコントロールできてる。良い調子ですね。」と褒めてもらったはずの胸水がその数日であっという間に溜まってしまったらしく抜いてもらう処置を受けました…って、今日はもう長くなってしまったから、そのお話はまた今度にして、次は右側の動画を見て下さい。

ふわっとした毛並みに戻ってスヤスヤ眠っているこちらは今日のさすけです。

処置や投薬が間に合ってくれたお陰で、たったの1日でこんなに回復してくれました。

闘病中の体は、天候やなにかこちらの頑張りではどうにもならない理由で大きく左右されてしまう繊細な状態に常にあるけど、やってあげられる事はたくさんありますからね。

最期まで「大好きだよ」を伝え続けていきましょう。

みんな頑張れ!みんなで頑張ろう!!健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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